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両学部合同ゼミ(廣田、出山、武次、柚原)による 「連合宮崎」研究視察報告!

 去る平成27年8月7日(金)、本学法学部の廣田久美子ゼミ(社会保障法、労働法)、経営学部の出山実ゼミ(財務会計論、情報会計論)、武次玄三ゼミ(演劇論・演劇学、職業教育)、柚原知明ゼミ(経営組織論、経営戦略論)は、参加人数60名規模の合同ゼミによる「日本労働組合総連合会宮崎県連合会」(以下、略称「連合宮崎」)へ研究視察を行ってきました。今回の研究視察においては、引率と写真撮影を兼ねて、山田恭子講師(認知心理学、学習心理学、教育心理学)も参加致しました。

 本研究視察は、宮崎県における労働界の本部である「連合宮崎」の社会的役割、組織規模、具体的な運動方針、活動内容等々に関する実態学習を目的として実施致しました。特に、先日(6/29)訪問させていただいた「宮崎県経営者協会」との社会的役割の違い等を中心とした労使関係の視点から社会の仕組みに関する研究視察を行ってきました。

 「連合宮崎」におかれましては、大変お忙しい中参加者が60名規模の私たちの研究視察のお受け入れ準備とご対応をいただきました。会長の佐藤真様や事務局長の中川育江様をはじめとする関係者の皆様に厚く御礼申し上げる次第です。

 本研究視察に関しては、下記の通り1.研究視察日時・訪問先・ご対応いただいた方々、2.写真集、3.参加したゼミ学生の感想、4. 廣田久美子准教授の研究視察総括、についてご報告いたします。

 

1.研究視察日時・訪問先・ご対応いただいた方々

 ○研究視察日時: 平成27年8月7日(金)14:00~15:30
 ○訪問先(所在地住所):「連合宮崎」
                (宮崎県宮崎市別府町3番9号 宮崎県労働福祉会館4F)
 ○ご対応いただいた方々(ご出身の産業別労働組合):
   会長 佐藤真様(自治労)
   事務局長  中川育江様(UAゼンセン)
   副事務局長 隈元浩二様(電力総連)
   副事務局長 岩倉万太郎様(全労金)


 

2.写真集

写真1. 研究視察の冒頭にご挨拶をしていただいた「連合宮崎」会長の佐藤真様をはじめとする役員の皆様方です。

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写真1

 

写真2. 講演していただいた「連合宮崎」事務局長の中川育江様(UAゼンセン、旭化成ご出身)です。日本における労働界のナショナルセンターである連合は、都道府県単位に地方組織が構成されており、全国でただ一人の女性の事務局長です。これまでの長期に渡る労働運動の豊富なご経験を踏まえた非常に分かり易い丁寧なご説明をいただきました。

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写真2

 

写真3. 真剣な表情で講演を聞く学生たちです。

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写真3

 

写真4. 「連合宮崎」事務局長の中川育江様の講演後、研修視察お受入れの御礼と質問をする経営学部の柚原知明教授です。「連合宮崎」には、1年間に約700件もの労働相談が入るとのことです。働く女性の労働相談比率が、年々高まってきております。ご対応されている「連合宮崎」の役員の方々も大変です。

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写真4

 

写真5. 「連合宮崎」に寄せられる相談の中身について質問する大坪冬輝くん(経営学部2年生、出山実ゼミ)です。

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写真5

 

写真6. アルバイトの労働問題について質問する鈴木彩莉依さん(経営学部2年生、出山実ゼミ)です。

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写真6

 

写真7. 相談アドバイザーについて質問する岡原良奈さん(経営学部2年生、出山実ゼミ)です。とっても、緊張しました!

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写真7

 

写真8. 最後に参加したゼミ学生全員を代表して御礼の挨拶を行った板本菜々花さん(法学部3年生、廣田久美子ゼミ)です。大変立派な御礼の挨拶でした。板本菜々花さんは、昨年「連合宮崎」において貴重なインターンシップを経験しております。

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写真8


 

3.参加したゼミ学生の感想

藤野光将くん(経営学部2年生 柚原知明ゼミ)
 今回の研究視察は、宮崎県労働福祉会館の「連合宮崎」にお邪魔させていただきました。
大変多くのことを勉強させていただき、労働者を取り巻く環境、「連合宮崎」の社会的な役割など今まで知らなかった事を丁寧に教えていただきました。本当に実のある研修視察になったと思います。私は、就職まではまだ2年ありますが、この研究視察で学んだ事を忘れずに、学んだ事を自分の回りの人たちに少しでも還元できたらと思います。「連合宮崎」は、労働者の心強い見方です!ぜひ何か困った事、気になることがあれば連絡してみる事をお勧めします。
「連合宮崎」の皆さん、今回は本当にありがとうございました。

岡原良奈さん(経営学部2年生 出山実ゼミ)
 前回は、「宮崎県経営者協会」の方に最低賃金を中心としたお話を伺いました。そして、今回は「連合宮崎」の方に「仕事」という話をさまざまな角度から知ることができました。最低賃金の話は前回のお話で学んだこともあり、また深く理解することができました。女性としての働く場の広がりとともに、職場内でのセクシャルハラスメント、パワーハラスメント、育児休暇、そしてその後の会社復帰への問題などまだまだ課題が残っていることも、ある程度知識はありましたが、今回のお話で理解が深まりました。そして、「連合宮崎」では、このような悩みを抱えている働く人を支えるお仕事なのだと思いました。「連合宮崎」の方の言葉を借りると「働く人の代弁者」、かっこいいなと思いました。私たちの暮らしを支える仕事はたくさんありますが、その仕事を支える仕事だと感じました。

大城みのりさん(法学部2年生 廣田久美子ゼミ)
 今回の研修に参加して、事務局長の中川育江さんが仰っていた「人生のターニングポイントがきても、それを理由に仕事を辞めないで欲しい」という言葉がとても印象に残った。人生の中で誰もが通るターニングポイントだが、なかでも女性は結婚や育児など決まったターニングポイントがあり、そこで仕事を辞める人が多いのが一般的だ。私も結婚や赤ちゃんを授かったら自分の仕事を辞め、家庭に従事するものだと考えていた。しかし中川さんはそこで辞めず、また辞めたり休業しても、復職しやすい環境を整える必要があると、女性が仕事を続けられる環境づくりをとても重視していた。全国の事務局長の中でも唯一の女性局長として女性目線から仕事にアプローチをしていて、仕事に対する考えが変わる良い機会になった。就職を考える際に賃金や労働時間と共に、女性が仕事をしやすくて、長く続けることができる環境かどうかを調べることにも重点をおいていきたい。

中村慎太郎さん(法学部2年生 廣田久美子ゼミ)
 労働組合の仕事について、どんな所なのか、どんな仕事をしているのかはあまり知りませんでした。全国と宮崎の推定組織率について、10%台しかないとのことでしたが、全国規模だともっとあってもいいのではないかと思いました。今回の話の中で、労働組合の活動で田植えをしたり、いろんなイベントをやったりといろいろな活動をしていて意外だなと思いました。最近の相談内容で、三大ハラスメントの相談が多いとのことだったので、過去と現在で状況が変わっているなという印象を受けました。本人の意志次第では、様々な支援を行うというような知らないことを聴けて良かったと思いました。

柳田聖菜さん(経営学部3年生、出山実ゼミ)
 今回は労働組合の方のお話を聞かせていただき、労働組合というものが少し身近になりました。
労働組合というと、正社員だけ、労働組合に加入している人だけにしか関係のないものだと思っていました。しかし、今回、アルバイトでも労働組合に加入していない人でも相談することができると聞き、労働組合は大学生の私たちにも身近な存在なのだなと感じました。
 実際に、友人の話を聞いてみると、アルバイトのことで悩んでいる人が多いです。そのことを思い浮かべながら、今回のお話を聞いていましたが、雇う側も経済的に苦しいところがあります。雇う側と雇われる側のどちらも納得いく働き方を考えるのは、多くの視点から見ないといけないですし、とても難しいなと思いました。

高濱拓也くん(経営学部3年生 武次玄三ゼミ)
 今回の研修視察では「連合宮崎」を見学することで労働組合の社会的役割と、労働者の権利について詳しく学ぶことが出来ました。
 企業や経営者には社会的な義務が課せられており、それらを守られなければ労働者の人権侵害に繋がることや、また被雇用者を守る為に幾つもの法律や機関が設けられていることを中川事務局長の講演で詳しく知ることが出来ました。
 労働者には働く上で環境、人間関係、雇用形態など幾つもの重要な要素があり、それらが1つでも損なわれることで労働者の労働意識の低下やパワハラ、セクハラなどによる労働者の人権侵害問題などに繋がります。それは今社会で働いている人々だけではなく、アルバイトなどで賃金を得ている私達にも大きく関わりのある問題であると実感すると共に、それらのことが守られていなければならないということを身に染みて思いました。


 

4.廣田久美子准教授の研究視察総括

 今回の研究視察では、連合の活動内容を通して、労働組合と労働者を取り巻く問題状況について理解することを目的として実施しました。

 労働組合は、「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」(労働組合法2条)であり、労使間の労働条件の決定における不平等性を改めるために活動を行っています。

 連合は、1989年に結成された日本のナショナル・センター(全国中央組織)であり、個別の産業や地域で解決が難しい課題のみならず、個別の労働問題への取り組みを積極的に行っています。近年、非正規労働者の増加の影響などから、労働組合の推定組織率は低下傾向にあり、特に若者の組合離れが深刻化している状況にありますが、労働者にとって、個々の組合員の解雇や労働条件をめぐる個別労働関係紛争の解決支援は、安心して働くために非常に重要な活動です。
 また、最低賃金の引き上げ、雇用・労働政策の充実などへの取り組みなど、公労使の三者構成の審議会等での労働者側代表として、労働者の声を政策へ反映させる重要な機能も果たしています。

 今回の研究視察では、労働者の権利と労働組合の社会的な意義について、さらに理解を深めることができました。
 宮崎県では、労働組合の推定組織率は非常に低く、私たちの普段の生活からは遠い存在になっているように思います。しかし、そのような労働組合が本来の役割を果たしにくくなっている状況であるからこそ、法的に保障されている労働者の権利や、地域で実際にどのような活動が行われているのかを知る必要がある、と感じました。

 最後になりましたが、私たちの受け入れ準備と丁寧なご対応をいただきました「連合宮崎」の皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

以上

(編集 経営学部/出山実)


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